大河ドラマ『真田丸』 特別インタビュー
塙団右衛門役  小手伸也さん

団右衛門は主君が目まぐるしく変わったり、坊さんになったりしてますね。僕も結構やらかすんですよ。似ています。
僕を入り口にして団右衛門を知ってもらえればうれしいです。

2016.12.13

―大河ドラマ初出演ということで、お話があったときのご感想からお伺いできますか?

 いや、とにかくびっくりしましたね。僕自身、時代物は結構好きですし、どっちかというと、舞台の出演が多いんですが、歴史物の舞台とかでチャンバラやったりもしてます。でも、大河ドラマは夢の世界っていうか、日曜日にテレビで見てる世界だったので、お話を頂いたときは、まさに青天の霹靂っていう感じで、びっくりしました。
 ちょっと経緯を説明しますと、僕が出演させていただいていた舞台をプロデューサーさんがご覧になっていて、それでお声掛けいただいたんです。でも、まさか、と思いまして。そもそもなんで僕なんですかね、って聞いたら「ちょっと自意識過剰な方を探している」と。ちょっと「は、は」となりながらも、なるほど、と思いました。確かに僕は舞台上では割と傍若無人な役とか、いっぱいやっているので、そういう印象があるのかな、って。塙団右衛門という武士について、本当に存じあげてなかったんですけど、すごい自己アピールの強い人だったということを聞いて、歩み寄れるキャラクターなのではないかと思い、すぐに「よろしくお願いします」とお返事しました。

―収録が始まる前、お調べになったりしたんですね?

 ネットとか、自分の手の届く範囲で調べてみたんですけれども、三谷さんの切り口って、史実を大事にしながらも、キャラクターを少し誇張していく感じがあるのを前々から存じあげていたので、下手に準備しないほうがいいのかなっていう気持ちもあり…自意識過剰っていう一点突破で、現場に臨んでみようという気持ちでやらせていただきました。

―台本をお読みになっていかがでしたか?

 自意識過剰だなと。
 僕自身は武将らしさというよりも塙団右衛門という人物の押しの強さに重心を置いて演じようと思いました。「塙団右衛門です」っていう初っぱなのセリフに全力を込めたところ、皆さんすごく喜んでくださったみたいで、三谷さんも褒めてくださったそうです。
 団右衛門は名刺みたいに、木札を配るんですよね。史実でも「夜討ちの大将、塙団右衛門です」と言って、札をばらまくエピソードがあって、自己紹介に特化してるやつだと思いました。よくよく考えたら、フリーの舞台俳優とかもその現場、その現場に名刺を持って伺うわけですよ。今は事務所に入らせてもらってるんですけど、長いことフリーでやってたことがあって、そのときには各現場に赴いては、「小手伸也です」って言っていたので、「あれ? 団右衛門と小手伸也ってやってること同じだな」と、重なるんですよね。
 そう気が付いたんで、途中から、「もういいや。しょうがないか」と。歴史的な人物であることは確かだけど、ちょっと脇において、普段僕がいろんな現場に赴いて、その現場、その現場で名を売っていくためとか、覚えてもらうために、「よろしくお願いします」ってやっていた経験をどんどん下地にして、そこからやっていけたら楽しくなるのかな、って。主君がどんどん変わっていった武将と同じ身なんでしょう。僕もいろんな演出家さんや監督さんにお世話になっているし、と考えたら、初の大河なんですけど、そんなに緊張せずにやれました。

―共通点を見つけられてから、ぐっと役が近くなったっということですね。

 そうですね。演劇の現場でやってることだから、という気持ちもありました。僕が緊張しいなところもあるのですが、周りの方もすごくよくしてくださるのも大きかったです。堺さんも同い年で、同じ早稲田の界隈で演劇をやってた方なんで、共演したことはなくても、お互いを知っていて「あー、堺さん」「あー、小手、どうも」みたいな感じで心強かったです。ここ何年かですね、初めてちゃんとお話ししたの。
 たまたま舞台を見に行ったときに飲み会の席で一緒になって、同い年なんですけど、僕、大学入るの2年かかっちゃったんで、僕が入ったときには堺さん3年生だったんです。早稲田界隈でブイブイ言わせてる先輩がいらっしゃる。本当にプロ意識が強いというか、当時から、ちゃんと将来のビジョンを見据えて演劇をやってた方がいた。それが堺さん。僕はすごく尊敬して見てましたし、僕はあそこまでなれるのかな、みたいな。自分とはステージが違う、上の人を見てるみたいな気持ちがあった。知り合いも多いですし、そういう意味ではすごく心強い現場ですよね。